男女共同参画WEBマガジン

epoca

自分らしく生きるためのヒントを見つける旅にでよう

インタビュー2017

静岡県男女共同参画社会づくり宣言事業所・団体

浜松ホトニクス 株式会社

(浜松市)

建部 益美さん

安井 恵行さん

“光”を通して理想の実現を目指す

 1987年、超新星爆発からのニュートリノ観測を成し遂げたカミオカンデ。この装置に浜松ホトニクス社の光電子増倍管が使われていることを知る人も多い。1953年設立当初から一貫して“光”をキーワードにさまざまな研究・製造に携わり、目に見えないところで、私たちの暮らしや環境、産業を支えている光のエキスパート集団が浜松ホトニクス㈱だ。

 

 建部益美さんは、浜松市内にある研究所で光バイオの研究に従事し、創薬や医療分野での応用が期待される光感受性タンパク質を用いた細胞機能の光制御に取り組んでいる。将来的に遺伝子治療が可能になると、局所に光を当てることで身体のある機能を回復させることができるなど、光を使って生体のさまざまな作用を操作できるようになるらしい。

 

 12才と8才の2人の女児の母親でもある建部さん。半年余りの産休育休を経て職場復帰し、子育てしながら13年間浜松ホトニクス社で研究を続けている。一般的に日本では女性研究者が研究を継続しにくく、結婚・出産などのライフイベントがキャリアに与える影響が大きいと思われている。「私は産休育休で一時的に職場から離れることに不安はありませんでした。育休中も研究内容について考えたり、子どもが寝ている間に論文を読んだりし、また家族や会社の理解もあり速やかに復職できたと思います。当社の研究職は専門が細分化され、業務内容がそれぞれの研究者に特化しているという部分も復職を妨げなかった面があるといえます。研究分野で女性の参画を阻む要因として、師事する教授や上司に女性がほとんどいないことや、ポスドク制度(任期があるため任期中の出産・育児が難しい)、女性は結婚したら仕事をやめるだろうという考え方など、日本の伝統的な慣行が背景にあるのではないでしょうか。当社は、子どもが熱を出した時など急な欠勤にも柔軟に対応してくれ、子育てに関するサポートが充実しているので非常にありがたいです」。

 

 総務部人事グループの安井恵行さんは語る。「当社の産休育休後の復職率は100%です。また、男性の育休取得者も数名おります。その他に、通常有効期間2年の有給休暇を、「積立保存休暇」として繰り越すことを認め、社員が家族の介護や看護のためにこの保存休暇を使うことができるという制度を導入しています。男女の区別なく優秀な研究者・技術者を採用し、それぞれの社員が十分力を発揮できるよう社内の制度や環境をこれからも改革していきたいと考えています」。

 

浜松ホトニクス㈱:http://www.hamamatsu.com/jp/ja/index.html

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