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インタビュー

Interview

静岡県男女共同参画社会づくり宣言事業所・団体

特定非営利活動法人リプロダクティブヘルス研究会(浜松市)

思春期の性の悩みに寄り添う

発足から今年で24年目を迎える「特定非営利活動法人リプロダクティブヘルス研究会」。立ち上げ当初は助産師が中心だったが、現在は一般の会社員も含め30人ほどで活動している。沼津市に設置されたの思春期健康相談室「ピアーズ ポケット」(設置:静岡県)を拠点に思春期健康相談を行っている他、県内の学校へ講座に出向くなど活動地域は広い。
 どんな相談が多いのか?理事長の宇田公美子さんをはじめ、理事のみなさんに聞いた。

 「今は年間3,000件以上の相談があります。そのほとんどが男子。包茎とペニス、マスターベーションのやり方っていうのが全国的に共通していると思います」相談件数にも驚くが、なぜ女子より男子からの相談が多いのか疑問を持った。
 「男性は比較的そういう学習をするところがない。女の子は生理のことで(学習機会が)あります。でも、男の子は自分の体の変化についてちゃんと学校で教えてもらってないから、本当に自分はこれで大丈夫なのか、こんなんなっちゃったけど病気じゃないかとか」誰にも言えないことを匿名で相談できる、同研究会の活動の意義を感じる言葉だった。

 コロナ禍やSNSの普及などで相談時間や相談内容などに変化があるという。「LGBTQ当事者の方たちの相談も前より目立つ気がします」「相談件数は減ってるんだけど、1人に対する時間は長くなっているのかな」「アドバイスが欲しいんじゃなくって、聞いて欲しいっていう感じです」
 メールや面接での相談も行っているが、電話は常に鳴りっぱなしだという。

ピアサポーターの成長が励みに
 思春期健康相談室「ピアーズ ポケット」の相談には「ピアサポーター」と呼ばれる、「青少年ピアカウンセラー養成講座」(主催:静岡県教育委員会)を修了した大学生も参加している。この「ピアサポーター」について、修了生であり現在は同研究会理事の安間さんに聞いた。
 「ピアは仲間という意味なんですが、思春期の相談者に近い年齢の大学生・専門学生が仲間の立場に立って性に関する相談にのる。そのための講座を修了した子たちが、その後ピアカウンセラーとして沼津の思春期健康相談室などで活動していきます」
 ピアサポーターは相談だけでなく学校での講座(ピアエデュケーション)も行っている。「劇仕立てのグループワークが中心で、友人同士のコミュニケーションやSNSの使い方など、学校の要望に合わせてテーマを設定します。大人が生徒に教えるのではなく大学生が中学生と一緒になって考えていく。中学生・高校生の本音を引き出しながら自分たちで考える活動です」


▲定例会の様子

 このピアサポーターの活動について、他の理事はどう思っているのだろうか?
 「性に関する知識も入れながら、カウンセラーとしての勉強もするって高度だなと思うんですけど。大学生がすごく育っているというのが分かる。素晴らしいなと思っています」
 
 性に関する教育や啓発の需要はますます増えていく。その中でピアサポーターの意欲や成長はベテラン相談員にも良い影響を与え、互いに刺激し合いながら知識の継承やスキルアップにも役立っている。次世代のカウンセラーを養成しながら「リプロダクティブヘルス研究会」の活動は今後も広がっていく。
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思春期健康相談室「ピアーズ ポケット」の御案内
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●電話相談
 ☎055-952-7530
 水曜日 13:00~17:00 / 土・日曜日 10:00~17:00

●来所相談
 沼津駅南口 沼津産業ビル 1階
 (沼津市大手町1丁目1-3)(要予約)

●メール相談
 MAIL:shishunki@poem.ocn.ne.jp

※相談無料

WEBサイト(外部リンク)
  http://peers-pocket.sakura.ne.jp/

プロフィール

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