男女共同参画WEBマガジン
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インタビュー2016
この人に聞く!
山中 未久さん
(立命館大学4回生/相撲部)
「ジェンダーとスポーツ」
去年8月、大阪で開催された世界相撲選手権大会。女子軽量級で日本代表として出場した山中未久さんは、準決勝でロシアの選手に敗れ3位となった。その時の悔しさが今でも忘れられない。
山中さんが相撲を始めたのは4歳の時。同じ保育園児の自分より体の大きい子や男の子相手に勝利した時、相撲を取ることの楽しさ、喜びを知った。その後、小学4年生の時、地元焼津市の相撲クラブで本格的に相撲を習い始める。静岡商業高校に進み、高校相撲部に女子として初めて入部、高校2年生の時、全日本女子相撲選手権大会で初優勝。その後も優勝を重ね、全日本ではこれまで計4回優勝している。現在は立命館大学相撲部に所属。大学相撲部には今、山中さんを含め4人の女子部員がいるが、山中さんが入部した時は、唯一かつ初めての女子部員だった。
相撲クラブや高校・大学相撲部に女子として初めて入ることや、そこで唯一の女子として男子達と稽古することに対して特に違和感はなかった。小さな頃に相撲と出あい、男子と相撲を取ることが自然なこととして身についたためだと考えている。両親も山中さんが相撲をやることに協力的だった。
それでも、これまで相撲を続けてきて、女子が相撲をすることに対して馬鹿にした扱いを受けたこともあり、相撲をやめておけばよかったと思う時期もあった。しかしそれは、自分が相撲をやることに恥ずかしさを感じて人の目を気にしていたからだと気づいてから、意識が変わった。そういった時期に、全日本で優勝するなど結果もついてきた。
今は、相撲をやっていることに対して自信と誇りを持ち、相撲を続けてきて本当に良かったと感じている。女子が相撲をやることに対していろいろな意見があるが、どんな意見も気にならなくなった。最近は、女子として相撲をやってきたからこそ出あえた環境や立場があると感じている。
いつか相撲がオリンピック競技となり、出場できることに夢をはせる。相撲の聖地、両国国技館で女性が土俵に上がれるようになってほしいとも願う。
女子相撲は、世界的に競技人口も増えつつあり、レベルも上がってきている。これからは、女子相撲が継続・発展していけるような道を作ることが使命だとも感じている。大学卒業後は、大学相撲部のコーチとして後輩女子相撲部員の育成に携わる一方、選手としても自身の相撲を極める。
山中さんの相撲の持ち味は、立ち合いの鋭さとそこからのスピード勝負だ。憧れの力士は日馬富士。日馬富士の立ち合いの鋭さとそこからの攻め方を目標としている。小学5年生の時、日馬富士関のいる相撲部屋に稽古見学に行き、他の力士と比べて体格が恵まれていないにもかかわらず対等に戦う姿を見てからずっと憧れだ。
目指すは、今年モンゴルで開催される世界相撲選手権大会で優勝すること。去年の雪辱を果たしたい。
ブックサポーター 女性とスポーツ
あざれあ図書室
『女性アスリートは
何を乗り越えてきたのか』
(読売新聞運動部
中央公論新社 2013年)
本書は読売新聞の女性とスポーツをテーマにした連載「WOMEN」をまとめたもの。生理、妊娠・出産、婦人科系の病気、指導者からの暴力など、これまであまり知られてこなかった、女性アスリートの真実を知ることができます。
『蹴りたがる女子』
(高崎計三∥著 杉博文∥写真
実業之日本社 2015年)
女子格闘技家として世界で活躍する現役選手7人と引退選手1人にインタビューし、写真とともに紹介しています。来歴や考え方、キャリアを重ねるうえで何かを犠牲にしてきたかなど、彼女たちの素顔に迫る1冊です。
『なでしこキャプテン!:夢は見るものではなく、かなえるもの』
(沢穂希∥作 早草紀子∥写真
集英社 2012年)
2011年、ドイツワールドカップで「なでしこ」を世界一に導いた澤穂希選手。「いつか、ワールドカップで優勝したい」という大きな夢をどうやって叶えたのでしょうか。彼女自身がこれまでの道のりを振り返り、夢の叶え方を語ります。
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