男女共同参画WEBマガジン
epoca
自分らしく生きるためのヒントを見つける旅にでよう
インタビュー2016
この人に聞く!
宮城島 眞理さん、小林 久美さん
(特定非営利活動法人Safety first 静岡)
「知ってほしい、デートDVのこと」
Safety First 静岡は、女性や子どもに対するあらゆる暴力の根絶を目指して活動している団体で、相談業務などを行っています。2013年から「デートdv防止出前講座」を県内の中学校、高校、大学等で実施しています。
デートDVとは?
“デートDV”とは、交際中の恋人同士の間で起こる暴力のことです。一般的に、DVというと夫婦間の暴力と捉えられますが、若い交際中のカップルにも起こります。恋愛関係になったとたんに、相手の態度が急変して命令したり、監視したり、暴力をふるったりする場合があり、男性でも女性でも被害にあうことがありますし、同性同士のカップルにも起こります。暴力がエスカレートすると、ストーカー行為や暴行傷害に繋がることや、命にかかわることもあります。
殴る、蹴るだけが暴力ではありません。精神的暴力や経済的暴力、性的暴力など、恋愛関係だからこそわかりにくいものも暴力といえます。相手のケータイをチェックする、アドレスを勝手に削除する、お金を取り上げる、嫌がっているのに無理やりセックスを強いるなどです。いくつかの暴力が同時に起こることもあります。最近では、SNSを使って相手を監視する、行動を制限する、リベンジポルノなどの行為が増えています。
好きだからって我慢しなくていい!自分の気持ちに正直に!
恋愛中には、好きな相手といつも一緒にいたい、好きな相手のことをすべて知りたいという気持ちが起きることもあるかもしれません。しかし、相手の行動を監視したり制限したりするのは束縛という支配行為です。
束縛は愛といえるのか、どこからが暴力に当たるのか、好きな相手からふるわれる暴力だからこそ、わかりにくい場合があります。特に精神的暴力は気づきにくいといえます。しかし、相手との関係に息苦しさや辛さを感じているならば、暴力を疑ってみることも必要です。
相手の反応が怖くて自分の意見がはっきり言えない、怒らせないようにビクビクしている、本当はイヤなのに相手に嫌われたくなくて断れないなどの状態になっているとしたら、ひとりで抱えることなく、早めに信頼できる大人や友人、相談機関に相談してほしいです。
付き合う二人の対等な関係について考えよう!
デートDVが起こる背景には、恋愛幻想や女らしさ男らしさといったジェンダーの思い込みがひそんでいます。好きだからといって、無理して相手に合わせようとしなくてもいいのです。我慢を続けたからといって暴力がなくなるわけではありません。自分の気持ち、感じたことを安心して相手に伝えること、イヤなことは「NO!」と伝えられる関係が対等な関係なのです。本当に愛しているのなら、相手の気持ちを大切にできるはずです。
特定非営利活動法人 Safety First 静岡:http://sfshizuoka.com/
ブックサポーター デートDV
あざれあ図書室
『レンアイ、基本のキ:
好きになったらなんでもOK?』
(打越さく良 岩波書店 2015年)
好きになったら束縛するのもされるのも当たり前なのでしょうか。事例をあげながら、恋愛のなかの暴力やその対処について解説しています。相手に振りまわされない、相手を振りまわさない関係を築くためのヒントが見つかります。
『デートDV・ストーカー対策のネクストステージ:被害者支援/
加害者対応のコツとポイント』
(伊田広行 解放出版社 2015年)
著者の提唱するシングル単位の恋愛観を基に、DVにならない恋愛について説明するほか、被害者への関わり方、加害者プログラムなどについても論じています。デートDVに関わるすべての人たちの参考となる1冊です。
『デートDVと学校:
〝あした〟がある』
(高橋裕子∥編著
エイデル研究所 2010年)
デートDVを防止するためにどうしたら良いのか、学校内のチーム体制づくりや加害生徒・被害生徒への対応などについて紹介しています。加害者、被害者だけでなく周囲の人間も通ってくる学校で教育を行うことの重要性が見えてきます。
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