多様性の尊重により、新たな価値を生み出す

　オフィスでおなじみのリコーの複合機やプリンター。リコージャパン㈱は1959年の創立以来、これらの商品・サービスの提供を通して、私たちの仕事や生活の質の向上に貢献。世の中の役に立つ新しい価値を生み出し提供しつづけることで、持続可能な社会づくりを目指す「リコーウェイ」を事業活動の理念としている。

 

　そしてこの理念にもとづき、ダイバーシティ推進やワークライフ・マネジメントなど、社員一人ひとりが能力を発揮し、生き生きと働ける職場環境づくりに取り組んでいる。

 

　そのうちのひとつ「ポジティブアクション研修」では、女性社員の長期的な成長を実現すべく、能力と意欲のある女性社員を次世代リーダー候補として早い段階から育成するとともに、対象社員の上司に向けた研修も行っている。2013年度に開始したこの取り組みにより、3.17％（2014年）だった女性管理職比率は4.42％（2017年）にまで伸び、着実に成果を上げている。

 

　その他「働き方改革」として、効率よく生産性を上げるため、残業時間管理の徹底や会議時間の短縮、各種資料の最小化への工夫、「復職支援セミナー」では、仕事と家庭の両立に関する講義やロールモデルの事例発表などを通し、復職後の不安を軽減できる機会を設けるなど多様な視点から組織の制度・環境整備を進めている。

 

　静岡支社では全社での取り組みをベースに、働き方・キャリアアップに関するさまざまな制度を各委員会やプロジェクトを通して積極的に広げている。産休・育休後の復職率は100％、男性の育休取得者も出てきている。これらの着実な実績が認められ、今年度、男女共同参画社会づくり活動に関する知事褒賞を受賞した。

 

　静岡支社で営業を担当している望月鮎美さんはリコージャパンに勤務して９年。２回目の産休・育休を１年間取得し昨年９月に復職した。「１回目の休職時には、営業職での産休・育休の実績がなく、復職する際にはたして元の営業職に戻れるのか不安でした。理解のある上司や同僚に恵まれ、希望する営業職に戻ることができました。昨年９月に復職してからは、２人目の子どもがまだ小さいため、欠勤せざるを得ない日も頻繁にあります。そんな時、上司が嫌な顔ひとつせず理解を示してくれたり、同僚のサポートもあったりすることが非常にありがたいです。仕事と育児の両立は難しい面も多々ありますが、当社の両立支援制度や協力体制のおかげでやりがいを持ちながら働き続けることができていると思います」。

 

　就労に関する全社員の意識変革により、社内に新しい雰囲気がじわじわと醸成されつつあるリコージャパン。男女問わず、一人ひとりの社員がライフステージに応じた多様な働き方を選択・実現できる環境づくりを目指しチャレンジを続けている。

 

リコージャパン㈱：http://www.ricoh.co.jp/