男女共同参画WEBマガジン
epoca
自分らしく生きるためのヒントを見つける旅にでよう
インタビュー2016
この人に聞く!
中村 祐介さん
(静岡学生NGOあおい代表/静岡県立大学国際関係学部3年)
「子どもの権利を守る!」
~学生NGOの取組み~
「静岡学生NGOあおい」は、子どもが子どもらしく生きるために、子どもの権利(特に児童買春の危険性)の啓発活動をしています。
カンボジアの児童買春をなくしたい!
「静岡学生NGOあおい」は、静岡県立大学のサークルとして2004年に発足しました。カンボジアの児童買春問題に取り組んでいます。発足当時、私たちにどのような国際貢献ができるか、さまざまな議論を重ねながら活動内容を模索してきたなかで、アジアの児童買春の実態が私たちの胸に深く突き刺さりました。そして、アジア各国を現地調査した結果、カンボジアの児童買春の問題が一番深刻ではないかという結論に至ったのです。学生が扱う内容としては難しすぎるという意見もありましたが、私たちはどうしてもこの問題に取り組みたいと思いました。
児童買春を引き起こす原因としては、教育に対する意識が低い、貧困などの問題があります。特にカンボジアでは、現在の親世代が子どもだった時代、ポル・ポト政権下で教育を満足に受けられなかった人が多いことが挙げられます。教育を受けられなかった親たちの中には、読み書きができない人もいて、そういった人たちは仕事を見つけるのも難しいため貧しく、子どもに教育を受けさせないどころか、生計を立てていくための手段として、子どもを売ってしまうという実態があります。
そういった問題に取り組むために、具体的には、春と夏の年2回、年間通してプロジェクトが行われているカンボジアへ赴き児童買春を未然に防ぐための活動をしています。児童買春の被害者の支援ではなく、被害にあってしまうような環境を未然に防ぐための教育活動がNGOあおいの特徴です。現地(コンポントム州)のNGOであるCCPCRとパートナーを組んで、現地の村々の子どもやその親たちを対象に、子どもの権利や児童買春の危険性などについて、ワークショップを通して啓発していくというプロジェクトを実施しています。そこでは、子どもの権利を実生活と照らし合わせながら、どのようにしたら子どもを守ることができるのかを考えていきます。こうした活動は、大人が子どもの権利を守り、子どもが健やかに育つことのできる環境の構築につながります。
パートナーを組んでいる現地のNGOとは毎回ミーティングをし、また年間通して行われているプロジェクトの途中経過などを評価するために、現地の人々に対してインタビューを実施することで、どれくらい人々の知識が定着したかを調査しています。その他に、日本文化の紹介などもしています。
現地に行って感じるのは、人々の明るさとたくましさです。辛い現実を力強く生きている姿に触れると、彼らから学ぶことがたくさんあると感じます。カンボジアの文化で特に感銘を受けるのは、人々が持つ“感謝の気持ち”です。素直に出る感謝の気持ちが目に見える形であふれています。そんなカンボジアを多くの人にもっと知ってもらいたいです。
教育が子どもたちの未来をつくる
ブックサポーター 子どもの権利を守る!
あざれあ図書室
『買われる子どもたち:
無垢の叫び』
(大久保真紀∥著
明石書店 1997年)
貧困、無知、都会への憧れと様々な理由で少女・少年たちが人身売買・性奴隷の犠牲にされる現実を取材し、加害者としての日本人にも言及しています。子どもたちを支援し学ばせようとするNGOの地道な取組も報告されています。
『貧しい国で女の子として生きる
ということ:
開発途上国からの5つの物語』
(遊タイム出版∥編 プランジャパン∥編集協力 遊タイム出版 2010年)
貧しい国に女の子として生まれ過酷な毎日でも頑張って生きている少女たちのフォトストーリー集です。その1つに「売春宿のサミタ」があります。数字でみる様々な現実も記載されていて、写真の笑顔と文章のギャップに心が痛みます。
『こどもの権利を買わないで:
プンとミーチャのものがたり』
(横田洋三∥監修
大久保真紀∥文 森野さかな∥絵
自由国民社 2000年)
小さな村で貧しくても穏やかに暮らしていた少女が、「テレビ」のために売春宿につれて行かれる悲劇が、子どもにも理解でき、また、関心を持ってくれるように絵本という形で描かれています。巻末にはより詳しく解説編が載っています。
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