男女共同参画WEBマガジン
epoca
自分らしく生きるためのヒントを見つける旅にでよう
インタビュー2018-2019
地元のハンサムウーマン ~地域力を高める女性たち~
磯部 三恵さん
(link代表/長泉町)
性暴力を他人事としないために
昨年(平成30年)3月、性被害者支援を中心に、性暴力をなくすための解決策を模索しようと、仲間と共に「link」を立ち上げました。もともと、静岡犯罪被害者支援センターの支援員や個人のカウンセリングを行っている中で、女性に対する性犯罪の多さや深刻さを知り、また支援に繋がる場所が県東部にないことなどから、身近に相談でき、支援に繋がる場所が必要だと感じていました。今は、5人のメンバーで活動し、相談業務の傍ら、性暴力についてお互いに勉強している最中です。ゆくゆくは学んだことを次世代に繋げていけるよう、何らかの形で発展性のあるアウトプットができればと考えています。
性暴力を巡る課題は山ほどあります。被害者を被害者側の立場から、精神面などで支援することの難しさはもちろんですが、性犯罪に関する法律面での課題や、性暴力に対する人々の意識面での変革など、さまざまな視点からどのようにアプローチできるか考えていかなければなりません。
法律面では、一昨年(平成29年)、110年ぶりに性犯罪に関する刑法が改正され、被害者の告訴がないと起訴できない「親告罪」から、被害者の告訴がなくても起訴できる「非親告罪」になるなど進展した点もあります。しかし、時効の問題や、立証するまでの捜査が警察と検察によって違っていたり、確実に起訴できる証拠がない限り起訴されないため、決定的証拠を求められプライベートを侵害されたりする中、告訴することにハードルの高さを感じてしまい、あきらめてしまう人もいるなどの課題があります。このようなことから、さらなる法律の改正を求めていかなければならないと思います。
意識面では、被害者だけではなく、加害者の心理を把握することや、性被害当事者ではない人たちが、性暴力を他人事ではなく、自分たち社会全体の問題であると認識することが重要だと思います。加害者や非当事者の価値観や認識が変わらない限り社会は変わりません。また、加害者を知ることは自分自身の防犯にも繋がります。
「link」がこれからできることは、被害者と弁護士、相談機関、行政などとを橋渡しすることではないかと考えています。現在、地域の催しに積極的に出ていき、アンケートを取るなど、身近なところから情報を集めつつ団体の存在を知ってもらおうとしています。性暴力に関連するジャンルとは全く無関係な地域の団体や個人と繋がることで、私たちの活動を地域の中で広げていきたいです。また今後は、団体のメンバーに男性を入れるなど、女性だけではなく多角的な視点から性暴力を捉える取り組みをしていき、解決に繋げていきたいです。
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