男女共同参画WEBマガジン
epoca
自分らしく生きるためのヒントを見つける旅にでよう
インタビュー2023
静岡県女性活躍加速化・行動宣言賛同企業等
有限会社キタガワビジネスサービス
いちぼし堂
(静岡市)
事業運営責任者 平石享さん
幸せな働き方のレシピ
静岡市の中心部からすこし離れた住宅街に「いちぼし堂」はある。静岡県の「女性活躍加速化・行動宣言賛同企業」に名を連ね、「子育てに優しい企業※」にも選ばれた同社では、どのような取組みをしているのか伺った。
「『いちぼし堂』は、『オンラインアシスタント』サービスを提供しています」と話すのは、事業運営責任者の平石享さん。
いちぼし堂の建物は1階が保育園、2階はコワーキングスペース、3階はマンスリーで入れるレジデンスという複合施設だ。
「住宅街のこういった複合施設で、『子供を育てながらで働けます』というと、今までの募集の仕方とは違う人材層が集まります」
現在9人の社員が在籍し、全員女性で時短勤務をしているという。
「社内の文化として『人生は働くためだけにあるのではない』というのがあり、社員は子育て世代が多いので、子どもが体調不良の時はすぐ休めるように、『休みたい』と言いやすいように、仕事はチームで対応しています。学校が夏休みになって連れて行く場所がない時は、職場に連れてきて子供が勉強しているその隣で仕事をするのもOKにしています」
普段のコミュニケーションもチャットを使うなど、コロナ以前からリモートワークも取り入れている同社。立ち上げ当初からそれぞれが働ける時間内で仕事をしているので、基本的に残業もなく有休も取りやすいという。
「時代を先取りしようとかではなくて、多様な働き方をした方が良いという考えです。サービスを提供する取引先には、業務をしっかり切り分けて正社員がやるべき業務に集中し、時間内で生産性高く早く切り上げて帰ってもらう。それ以外の仕事を『いちぼし堂のオンラインアシスタント』で、という流れでやっているので、この流れ自体が働き方を変えていくということに繋がっていくかなと思います」
2023年の「都道府県版ジェンダーギャップ指数」で、経済分野が47位と最下位だった静岡県。女性だけでなく男性の働き方や社会はまだまだ変化していない現状だ。「女性ばかり優遇されている」という声に対して平石さんは次のように答えてくれた。
「若い時は、生きて行く上であまり男女の差がないと思っていましたが、年を重ねて男女で家事・育児にかける時間を聞くと不平等がおきている。時代は変わってきてはいるのですが、今はちょうど過渡期なので、女性優位にしなきゃいけない時期じゃないかなと思います。『幸せに働ける人が増えていくような事業にしていきたい』ので、SDGsもそうですけど、同じ価値観を持った企業同士が取引をして、共に成長していくのが望ましいです。社員も取引先も大切にする企業が増えれば、女性だけでなく多様な働き方が普通になるはずだと思っています」
オンラインアシスタントサービスを通して、いちぼし堂が考える「多様な働き方」と同じ思いの企業の輪が広がっていく。
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※いちぼし堂の取組みは「ねっとわぁく80号」にも掲載します。
※子育てに優しい企業
静岡県が子育てに優しい職場環境づくりのために優れた取組を行っている企業等を表彰する制度。いちぼし堂は令和2年度に受賞。
平石享(ひらいし とおる)さん
プロフィール/有限会社キタガワビジネスサービス いちぼし堂 事業運営責任者。滋賀県出身。大学を卒業後大手IT企業の海外勤務の後、静岡へ移住。2020年1月より現職
いちぼし堂の社員のみなさん
特定非営利活動法人
リプロダクティブヘルス研究会
(浜松市)
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