男女共同参画WEBマガジン

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自分らしく生きるためのヒントを見つける旅にでよう

インタビュー2022

地元のハンサムウーマン ~地域力を高める女性たち~

中島 あきこ さん

(一般社団法人 ママとね 代表理事/三島市)

 「ママ・パパ」と「地域」をつなげる

 

 キャリアを中断しての孤独育児

「一般社団法人ママとね」(2014年設立)は、WEBサイトをメインに静岡県東部の子育てに関する情報(イベント、子育て支援団体、おすすめ絵本や公園等)を発信している。

同団体代表の中島あきこさんは、第一子出産直後の12年前、夫の転勤に伴い三島市に転入した。知り合いゼロ、家族の支援は望めない、わからないことがあっても聞ける人は誰もいない、という環境で育児が始まった。

中島さんは東京近郊等で泌尿器科の医師としてバリバリ働いていたが、出産、転入のタイミングでキャリアを中断した。

「これまでのような働き方が続けられなくなり、手術もできず、後輩の医師たちに何も残せない、教えてもらった先生方にも申し訳ない、と当時は思っていました。自分の存在価値もわからなくなりましたね」

三島で、どこかしら“つながり”をつくりたい、と、地域の親子サークルを調べたが、当時はWEBから得られる情報は少なかった。

しかし、何とか見つけて入った親子サークルで友達ができ、中島さんの状況は変わっていった。

「サークルに入っているから情報を知ることができる。情報が入るから安心する。友達がいるから子育ての楽しさにも気付けました」

当時、中島さんは週一回のパート勤務というかたちで外来診療の仕事をしつつ、早期の本格的な復職を目指していた。しかし、第二子を考え始めた頃「バリバリに戻らなくてもいいんじゃないか」と思い始めた。

「“私は誰かの役に立ちたいんだ”ということに納得しました。医師以外でも役に立てることはあるんじゃないかって」

役に立てることは何か、中島さんは考えた。

「私と同じように、孤独育児で困っている方へ情報を届ける役割ができたら」

そんな中、親子サークルの先輩から紹介された人と意気投合。会って30分でWEBサイトの立ち上げを決意。“ママとね”設立に動き始めた。

「何かをやりたいと思っていても一人では難しい。同じ思いを持つ人と出会えたことが大きい一歩でしたね」と中島さん。

 

  “ママとね”の活動

“ママとね”の現スタッフ数は14人。いずれも静岡県東部で子育てをしている女性たちだ。地域や次の子育て世代の役に立ちたいという気持ちを皆が持っている。

“ママとね”のWEBサイトでは“子育て目線”の情報発信を大切にしている。公園情報にしても、そこにおむつ替えシートはあるのか、自動販売機や駐車場はあるのか等、子育て中だからこそ必要な情報を掲載している。

“ママとね”立ち上げの同年には子育て応援の詩集「トツキトウカSHIZUOKA EAST」の発行を始めた。詩集発行後には、行政や地域の企業と共同で親子イベントを毎年開催している。

 

コロナ禍になってからは、居場所提供として親子サークルを開始。活動場所は「トツキトウカ SHIZUOKA EAST」の共催企業が無償提供してくれた。助産師も無償で参加してくれている。サークルの運営は未就園児の母親スタッフが中心となって行っている。こうした活動はスタッフにとって自己実現かつ世界が広がるきっかけになっていると中島さんは言う。

「企画から運営まで、やることは仕事と同じ。社会復帰のリハビリにもなっていると思いますね」

令和3年11月からは「あひる図書館」をオープン。本棚のひと箱ごとに市民オーナーがいる、ユニークな仕組みの私設図書館だ。これまで“ママとね”の活動はオンラインがメインだったが、図書館という場を持ったことは大きいと中島さんは言う。

「コロナ禍で皆“つながり”が希薄になってしまった。子育て世帯だけではなく地域全体に目を向けて、本を核に大人も子どもも一緒に交わっていきたいなと思います」

 

 “つながること”は楽しい

「私は地域に育てられ、救われた」と中島さんは言う。

「以前は病院の中の狭い世界しか知らなかっ

た。でも世の中こんなに広いんだって思いました。地域のあらゆる人とつながりを持てるのが面白くてしょうがないですね」

 最後に“ママとね”の活動で楽しいことは?中島さんに聞いた。

「よその赤ちゃんを抱っこできること。その間お母さんは休める。お母さんの役に立ててかつ自分も癒される。役得です(笑)」

 “ひと”と“地域”をつなぐ“ママとね”の活動は、これからも続いていく。

 

 

 

 

 

 

静岡県東部のママ・パパ・祖父母から赤ちゃんへ贈るラブレター「トツキトウカ SHIZUOKA EAST」

毎年10月10日発行

“ママとね”スタッフの皆さん イベント時にて

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ママとね  WEBサイト  https://mamatone.net/

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