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インタビュー2020

この人に聞く!

   かい

永野 海 さん

 

(弁護士)

新型コロナウイルス感染症

  ~いま、本当に困っている人に伝えたいこと~

 弁護士、そして防災士としても活動している永野海さん。新型コロナウイルス感染症が拡大した折りには、支援制度を分かりやすくまとめた「新型コロナ対策支援カード」を作成、国会でも取り上げられました。支援制度について、そして、コロナ禍で起きている人権問題について、永野さんに話を聞きました。

 

 

 

 

 

新型コロナ対策支援カード 支援制度をわかりやすく知る

 新型コロナウイルス感染症の支援制度はたくさんあります。国のホームページにも多くの情報が掲載されています。支援制度の内容を読み取ることはとても難しいです。しかし、支援制度を知っている人と知らない人で大きく差が出ます。まずは支援制度を分かりやすく知ってもらうことがスタートです。

 

非正規雇用で働く人、外国人    社会的に弱い立場にある人へのフォロー

 雇用に関する支援制度に「雇用調整助成金」があります。しかし、この制度は残念ながら十分には機能していません。本来この助成金をもらうべき企業が申請をしていないんです。そのため「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」というものがつくられました。解雇はされていないけれど事実上会社が休業しており、給料がもらえない人のための措置です。この制度は従業員が自分で申請できます。

 外国人に対する支援制度は極めて貧弱です。現在、支援制度に関する外国人からの相談が増えています。しかし、日本語が堪能でない外国人は、口コミで情報を得ているのがほとんどです。国のホームページ上では、多言語でいくつかの支援制度を紹介しています。でも、概要だけで終わっているんです。実際の手続きについては多言語化されていません。これは、この国がいかにマイノリティを平等に扱おうという気持ちがないかがすごく象徴されています。

 

人権問題への配慮

 感染者やその家族に対して深刻な誹謗中傷が起きています。家の窓ガラスを割られた人、引っ越しを余儀なくされた人もいます。もし身近な人が感染したら、まずはその人のことを心配しましょう。例えば、インフルエンザに罹った人に対しては心配しますよね。しかし、新型コロナウイルス感染症は、心配より先に「恐怖」や「嫌悪」を抱いてしまいます。人間、分からないものに接するといかにパニックになってしまうかが見受けられます。

 そもそも、ある意味では、感染してもその後退院できた人は、むしろ無症状だけれども感染しているかもしれない周りの人(自分を含む)に比べれば安心な存在とも言えます。関東大震災が起こった時、社会がパニックになる中で、デマが飛び交い、信じられないことですが、民間人の手によって、多くの罪なき人が殺されてしまいました。コロナ禍で起きていることも、ある種においてこの事件と非常に似ているところがあります。人間は非常事態が起こってパニックになると人を傷つけるということを、ひとりひとりが肝に銘じないといけません。パニックにならずに正しく対応できるように、自分が感染者になる可能性があることを常に考えながら、病気の人は心配するものなんだ、コロナ感染者もそういう対象なんだ、ということを忘れずにいてください。

 新型コロナウイルス感染者の情報は、感染拡大防止につながる場合には、必要最小限出さざるを得ない場合もありますが、その効果がない場合には、個人を特定できてしまうような情報は出してはいけません。感染症法でも、個人情報の保護が必要であることが書かれています。新型コロナウイルス感染症の情報公開では、なんとエボラ出血熱のような一類感染症の指針が準用されています。この一類感染症の指針ですら、氏名、職業、居住市区町村などは非公表で、個人の特定がされないように配慮するとされています。例外的に、立ち寄った場所などを公表する可能性があるのは、濃厚接触者がどうしても特定できない場合で、その公表によって感染の拡大きる場合です。濃厚接触者が特定できていれば、市民に公表する必要はないわけです。特に地方などでまだ感染者が珍しい時期には、誰が感染したのかと、漠然とした不安と興味本位などで、市民が感染者探しに走る傾向があります。過度な情報公開を求めがちにもなります。しかし、そこでぜひ一歩立ち止まり「この情報は本当に必要か?」「自分が感染者だったらどうだろう?」と自分の頭で冷静に考えてみてください。明日は我が身です。事業所などでも、感染者が出た場合は、プライバシー権、平穏な生活を送る権利などの人権に配慮しながら、どこまでの情報をどういう目的で公開をするかを、ぜひ感染者が出てパニックになる前の段階で、話し合ってみてください。

 

 支援の話に戻ると、新型コロナウイルス感染症は、困っている人へのアウトリーチの支援がとても難しいです。だから、いま困っている人は、まずは声をあげてください。ひとりで抱え込むと必要な支援を得ることが難しくなります。苦しい時こそ、勇気を出して声をあげてください。

 

「あざれあナビ」では、新型コロナ支援カードの

ほか、新型コロナウイルス感染症関連情報を掲載しています。


★永野 海さんのホームページはこちら(外部リンク)

 

新型コロナ対策支援カードの一例(個人・家族向け、

事業者向けあり)。永野さんのホームページでは

多言語化されたカードも掲載。

 

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